2008年7月28日月曜日

月例 出張母子健康診断(チピモ)

7月25日

この日は、モンボシ地区における月例の母子健康診断(チピモ)の日。
チサンバ郡ヘルスセンターまで行けない母子のために、
看護師2名程が遠隔地へ出張し、妊婦の定期健診や赤ちゃんへの予防接種等を行います。

しかし、郡のヘルスセンターも予算不足のため、なかなか定期的に出張することができません。
そのため、昨年からTICOがプロジェクト実施地であるモンボシへの出張のために配車支援をするようになりました。


この日は、検診にきた母子の数は特別多くは無かったものの、
カルテの記載方式に変更がありいつも以上に時間がかかってしまい、
検診が終了したのは午後の6時半近く。
外は、もう文字も見えないほど真っ暗。

先月のチピモはちょうど満月に近かったため、
なんと村を出たのは19時過ぎであったにもかかわらずまるで蛍光灯を灯したかのような明るさでした。
とても幻想的で感動していたため、今回は懐中電灯を持っていかねばと思っていたのに、危機感が薄かったためか、すっかり忘れてしまっておりました。 (反省)

まさに「とっぷり」日が暮れてしまい、うーんこれはやばいかも。。。と思っていたところに、戸締りをしにきたモンボシ小学校副校長のチララ先生。
「あらぁ、あなたまだいたの?」と驚きながら教室に入ってきました。
彼女はいつも穏やかで、心配りの細やかな女性です。

少しほっとしながら
「今かたづけをして、そろそろ出発しないとなぁって思ってたんですよぉ」と答えると、
いつもの高いけれども落ち着いたやさしい声で、
「早く行ったほうがいいわよ。先月、やっぱり暗くなってから川を渡ろうとした男性がワニに襲われかけたから」


・・・・・・・・・・・・・・いや、いっそお宅に泊めてください。(涙)


この川。
数年前の洪水で橋が壊れてしまい、現在は建設中の橋の横に土嚢を積んだだけの仮橋状態。
最近、近くの商業農家が農業用水確保のために、一部上流をせき止めてしまったため、水かさも増し気味。

いつもはこの川と村の間の草刈のされていない野原を、皆でおしゃべりしながらのんびり20分程歩くのですが、この日は看護婦さんと荷物運びを手伝ってくれた村の女性と4人で黙々と。。。
どれくらい暗いかというと、これくらい…。(笑)

歩き出して5分もすると本当に真っ暗になってきたので、
携帯電話のライトで辛うじて足元を照らしつつ、ひたすら歩く歩く。
あぁ、LEDライト仕様でよかった。
発光ダイオード万歳!中村修二さん、ありがとう! (←ちょっと違う)

30分程して、ようやく橋に到着。
しかし、目前の真っ暗な川は、冗談抜きでワニが口開けて待っていそう・・・。

対岸で待ってくれている運転手のガバナーさんに川岸まで車で降りてきて、
ライトアップしてもらおうと電話をするも、当然つながらない。(涙)
無理だよなぁと思いつつ、だめもとで大声で(はい。私、声大きいんです)
ガバナーさんの名前を呼ぶものの、とにかく渡った方が早いと思い、4人で歩き始めたその時!
ディーゼルのエンジン音が!

名前だけで私がしてもらいたかったことを汲み取ってくれるなんて! 感動!
(状況から考えて、他にどうしようもないとも言うが…)
車高の高いランドクルーザーの正面からのライトでは、
目を射られて結局何も見えなかったという事実もどうでもいい! 
とにかく感激!
(実際、車に乗ってからは川と土嚢が良く見えたので、もしも我々がワニに襲われていたら、ガバナーさんには『人とワニのスペクタクル』が良く見えたことでしょう…。)

チサンバのクリニックまで送る予定であった火傷を負った女性と付添の3人も乗り込み、ようやく出発。時刻はもう19:00過ぎ。

大幅に遅くなった我々とは対照的に、なんとこの女性達。
13時からずぅっと、われわれが来るのを道端に座って待っていたという。
あぁ、悠久の都ザンビア。時間の流れのなんと緩やかなこと。
私も、泰然自若(これ以上?)とした、小さなこと(←ワニとか)には動じないような大らかな人間になりたいものだと感じた一日の締めくくりでした。

PLAトレーニングコース終了

7月24日

寒さはまだ残っているものの、日差しは刺さるように強いザンビア。
ここでの生活に、サングラスははずせません。
おかげで白黒反転したネガ・ポジ熊猫になってしまうのではないかと戦々恐々としています。。。

さて、6月にスケジュール等の都合上一時とまっていたParticipatory Learning and Action (PLA)のトレーニングが7月16日から8日間の日程で再開できました。

出席率もよく、モンボシ地域内にある村のCHW(Community Health Worker)さん達が、講義を受けながら、自分達の活動地域における現状分析、マッピング、これからの活動計画の作成等、非常に有意義な結果を出すことができました。


最終日。

8日間の講義、実習そしてその成果発表も終わり、
講師のシカゼ氏とTICOザンビア事務所代表の山本から修了証書の授与をすることに。
講師より「名前を呼ばれたら、歌って踊りながら証書をとりにくるように」という、 ザンビアならでは(?)の指示が下ったため、上手い人もそれなりの人も、恥ずかしがり屋もお調子者も、各自お気に入りの歌をのりのりで歌い踊り、全員が一緒に手拍子とコーラス。

証書もなかなか受け取らず、歌い続ける人が続出するあたり、
はっきり言って、こちらの方がメインかも…。と、写真を撮りつつ考える私。。。

とうとう腰に布を巻き、その先端を何度かこま結びにし…。名前を呼ばれた某村のCHWの女性と共に熱烈に「豊穣のダンス」(とでもいうのだろうか…)まで披露され、やんやの喝采。。。
ついさっきまで「家族計画」の重要さについて講義を受け、自らも発表していた訳ですから。
PLAコースの集大成とでもいいますか。(^_^;)


実際、ザンビアは、アフリカの中でもHIV/AIDS/STIの問題が深刻な国で、
モンボシ地区においてもHIV/AIDS/STIを優先課題のひとつに上げている村も多いのが実情です。
デリケートな問題なのですが、今回のコースや各地域での経験等を基に、CHWのリードの下、
率直に話ができる環境を作り、村ぐるみで積極的に対応を進めていってもらえればいいなと思います。(強引なまとめでしたかね。(笑))