2007年9月28日金曜日

早耳

私宛に手紙を預かった、と住民代表が封書を渡してくれました。名前に心当たりがなかったのですが、読んでみると「売店店員への応募書類」と書いてあって、身分証明書や成績証明書のコピーまでつけられているではありませんか。30歳の男性でした。

そういえば先週の住民代表8名とのミーティングで、ヘルスポストで売店を設けたらいいのではないかとう提案があって、私もいいアイデアだと同意したおぼえがあります。おそらくその話を伝え聞いた彼が早速応募してきたというわけでしょう。

モンボシのような農村地域の人たちにとって、農業以外に仕事の場はほとんどなく、現金収入の機会というのは非常に限られていますので、このような少しでも可能性のある話にはどんどん寄ってくるのでしょう。

売店の開店はいつになるかわかりませんが、応募書類は預かっておくことにします。

突然の来客

住民代表からの話によると、先週突然モンボシに保健省本省のお役人2名が首都からやって来て、プロジェクトの進み具合をチェックしに来たそうです。

ふだん私が交渉しているお役所は、チボンボ郡という地方の保健局(日本に無理やりあてはめると保健所しょうか)であって、首都にある保健省本省(日本でいえば霞ヶ関の厚労省)とは実施の合意文書を取り交わしただけで、ほとんど形式的な関わりしかありませんでした。

そこへ突然、TICOへの連絡もなく、いきなり本省からチェックに来られてはびっくりしてしまいます。住民は(別にやましいところもありませんので)うまく説明してくれたようでしたが、お役人の名前や連絡先は聞きそびれたそうです。

本省担当官様。首都から100キロも車を飛ばしてきてくださるなら、次回からはぜひ事前にご連絡を。私からも詳細にご説明差し上げたいと存じます。

住民はやる気を態度で示しています

 草刈り前
 草刈り後

このプロジェクトで最初で最大の仕事はヘルスポスト(簡易診療所)を建てることです。こういうプロジェクトでありがちなのが、日本人スタッフが一生懸命住民の尻をたたいても、遅々として作業が進まない、というものです。

ところが今回は、今のところ立場が逆転しています。「いつから建築作業にかかれるのか」と住民代表から私がせっつかれている状態です。それもそのはず。TICOと役所の最終調整に時間を要したり、私の一時帰国が少し長引いたりしたせいで、TICOがヘルスポストの建築をモンボシ住民に提案してから、半年以上が経ってしまっているのですから。

先日の役所の担当者による検分で建設予定地が確定したことで、早速住民は人手を集めて、もうあらかた草刈りを終えていました。それから建築に使う川砂を地域から提供するように、各村の代表に依頼文書を出す準備も始めていました。

彼らの行動を伴ったやる気を見せられて、私も(さぼっているわけではありませんが)それに応えられるようにしなければと思いました。

2007年9月18日火曜日

患者さんの転院

チコンコメネ・ヘルスポストの見学を終えて、また長距離ドライブして、同行したチサンバ診療所の職員を送り届けたところで、彼が「患者さんをひとり病院へ転送したいのだけれど、乗せていってくれないか?」と言ってきました。といっても病院はTICOの事務所とは逆方向で1時間くらいかかります。しかももう夕暮れで、日が暮れてから走るのは安全上問題があるのであまり気が進みません。
 生死にかかわるような容態ならば運ぶしかないか、と患者さんを見ると、しんどそうですが自分で歩けます。職員の説明では、睾丸の病気で膿が出ていて病院で手術しなければならないとのこと(泌尿器科は勉強不足で、何という病気なのか私はわかりませんでした)。でもバス代もなくて、病院に移動できずにいるとのこと(ザンビアでは、病院へ転院するときも自分でバスで移動するのが普通です)。問題は重態ということではなくて、移動手段がないということです。
 途中の分かれ道の所まで、患者さんと付き添いの妻と赤ちゃんを乗せていきましたが、ここで降りてもらって別の車をつかまえてもらうようにしました。もう日が暮れて暗くなっていましたが、交通量の多い幹線道路なので何とかなるでしょう。
 今後もこういうことを頼まれることは何度もあるでしょう。我々が好意で運んであげるのは簡単ですが、住民や診療所が自ら転院するための手段を確保できるようにしないと解決になりません。それもこのプロジェクトで考えていかなければならない問題です。

最寄りのヘルスポストを見学

 ヘルスポスト外観
 診察室

先週の建設予定地検分の際に、最寄りのヘルスポストを見学してみたい、という村人の要望があがったので、今日は代表3名と行政担当者も参加して、同じチボンボ郡内のチコンコメネという所にあるヘルスポストを見学にやってきました。
 最寄りとはいっても、直線距離でも東へ30キロほどあり、モンボシから行くには近道がなく、大きな町を迂回して行かなければならないため、車で片道2時間以上もかかってしまいました。
 お昼過ぎに到着すると、ただ一人の医療職である看護師が診療中でした。診察を待っている患者さんも10人以上いました。1日平均50人ほどが受診するそうです。カバーする人口は約1万1千人とのこと。
 ここは、2005年に政府のお金で建てられたとのことで、建物もまだ新しく、太陽電池で稼働する無線機やワクチン保存のための冷蔵庫が稼働していて光り輝いて見えました。薬も政府から配られるものがちゃんと入っているので、在庫も十分あるとのことでした。
 敷地の奥では、住民が何人か日干しレンガをたくさん作っている最中でした。新たに職員用住居を建てるためとのこと。ヘルスポスト拡張のために住民が協力してくれている、と看護師も喜んでいました。
 モンボシの3人も、これから自分たちが建てようとするヘルスポストのイメージが一気に具体化したようで、建設をうまく進めるためのよい動機づけになったと思います。

2007年9月11日火曜日

行政担当者が建設予定地を検分


朝一番でチボンボ郡保健局へ出向いて担当者を拾って、さらにチサンバ・ヘルスセンターの担当者も拾って、モンボシへ向かいました。ヘルスポスト建設予定地が適切な場所かどうか、検分してもらうためです。同じ郡内といっても車で1時間以上かかります。しかも公務といえども車やガソリン代が不足していますので、我々が車を出して送迎しなければなりません。
 保健省の規定で、ヘルスポストの建物以外にもトイレや職員住宅、医療廃棄物を燃やすための焼却炉を建てることが求められています。もちろん敷地の広さとしては十分ですし、メインロードへのアクセスも問題ないとの評価でした。
 村人といちばん議論になったのは、それぞれの建物の配置でした。トイレや焼却炉を風下にうまく配置できるよう一生懸命考えていました。紙に配置図を描きながら話し合っている様子を見ていると、完成が楽しみになってこちらまでわくわくしてきます。